推してるグループが5周年を迎えた。
AMEFURASSHI アメフラッシ、って読む。
9月から、5周年を祝うイベントのツアーをしていた。それも、あっという間に千秋楽。
2023年11月19日、日曜日。会場はららぽーと豊州。
AMEFURASSHIは目標に掲げていた1000人の動員を達成した。それも1300人を超えたところで数えるのをやめたそうだ。
6月末の同会場のイベントの動員目標は500人だった。その日の動員は734人との発表だったから、今回はほぼ倍に近い。
現場は嬉しい悲鳴で、運営上のキャパシティは明らかにオーバーしていて、タイムスケジュールは押すに押した。
外もすっかり暗くなり、イベント終わりのアンコールライブを待つ時間。いつもより長めの待ち時間。ちょうど隣に座った、TikTokでAMEFURASSHIを知ったという小学生の娘さんを連れてきていた保護者の方と話をした。
「さみしくないですか?」
実は結成のときから見てきてるんです、その前のグループのときから応援していて、最近人が多くなってきて……なんてわたしが伝えたときに、お隣の方から問われた言葉。
「さみしいよりも、うれしいですね」
そう、すんなり答えられた。自分自身に驚いた。
答えた瞬間に、ああ、今回このフリーライブツアーに通ってよかったな、と思えた。
人が多くなると、密集して見づらくなる。
会場が物理的に広くなると、距離も遠くなる、いままでより、きっと、ずっと。
さみしさを隠してきた。
イベントに行けば、一定の水準で約束されていた距離が徐々に遠くなってきたことを。
女性限定エリアが、ほぼ最前が確約されたエリアではなくなってきたことを。
すんなりと並べていた特典会の列が長くなることを。
パブリックサーチをすれば、アメフラを語る人が多くなってきていることを。
人が増えてきてうれしい、なんて綺麗な言葉で誤魔化していたことはとっくに気付いてた。遠くに行ってしまうかもしれない、そんな、わたしのさみしさ。
もっともっとたくさんの人に知られてほしいといいながら、手の届くところにもいてほしい、なんてそんな勝手な想い。
そんなさみしさを、置いてくる場所ができた。
それが、今日、ここだった。
* * *
「5周年記念フリーライブツアー<Meet The AMEFURASSHI!!>」略して「MTA」
今年の秋を駆け抜けた全10公演。南は兵庫から、北は仙台まで。主な会場はららぽーと。
今回も全編無料で写真・動画撮影可能だった。#MTA で検索をかけるとたくさんの動画や写真が出てくる。気がつくとあっという間に時間が経っている。
今までのリリースイベントから考えると、信じられないほどに客足が伸びた。はじめましての方がもらえるフリーフォトチケット(無料でツーショット&日付サイン入りのカード付)の列は、いつも長かった。
どれくらい長いのかといえば、一旦ライブが終わって会場を抜けて、ご飯を軽く食べてきて戻ってきても大丈夫なくらい。
特に顕著だったのは、女性エリアとキッズエリアかもしれない。女性エリアはこの1年でだいぶ増えてきた実感はあったけれども、正直、キッズエリアがこんなにいっぱいになるグループになるとは思ってもいなかった。
わたしも何回か、キッズエリアに座ってイベントに参加させてもらった。
いまこの文章を書いている時点で、わたしには、4歳半になる長男と、4ヶ月半になる次男がいる。
年齢をみてもらえばわかると思うけれども、AMEFURASSHIの結成よりあとに生まれた子どもたちだ。
長男は、お腹の中にいるときに、アメフラっシの結成を見届けた。
次男は、妊娠報告から臨月直前まで、特典会に行くたびに「お腹大きくなってきましたね」と声をかけてもらい続けた。
今回のフリーライブツアーの会場に、ららぽーとが多かったことを、こんなにうれしく思ったことはない。
商業施設。しかも、ららぽーと。子連れが行くのにこんなに適した場所はなかった。
去年の春、2022年4月に、アルバムのリリースイベントがお台場のガンダム広場で行われたときの回に、長男を連れて行った。少しずついろんなことが緩和され始めた時期だった。
世間が感染症一色の自粛ムードになる前、まだ0歳だった頃に何回か連れて行ったとき以来の子連れでの現場。ずっとアメフラの曲を聞かせて踊って一緒に楽しんできた息子と行ける現場。
「大きくなったねえ」
そう声をかけてくれた愛来ちゃんに伝えた。
子どもと一緒に来られる場所でイベントをやってくれてありがとう、と。
「一緒にきてくれてありがとう。またできるように、がんばるね」
そういって、わたしと息子を見てくれた、愛来ちゃんの優しい笑顔が、ずっと心のなかに残っていた。
あのときの言葉を、こんな素敵な形で叶えてくれたんだ、行ける限り行こう。そう決めた今回のフリーライブツアー。
結局、関東近郊を中心に、家族で1回、長男と2回、ひとりで2回の計5回参加した。
当初、わたしが勝手に5周年記念ツアーから想像していたのは、結成からの曲をごちゃまぜにしたセットリストのイベント。
実際には、今のグループの方向性が決まったメタモルフォーズ以降の曲の10曲くらいの中から、今のグループの楽曲をしっかり見せるイベントだった。
言ってしまえば、前回のミニアルバムのリリースイベントのときと、セトリは、そんなに大差ない。
何回も通っているヲタクほど、いつも同じ曲を聴くことになる。
(とはいえ、湘南が会場のときには前のユニットゆかりのカバー曲を歌ってくれたり、富士見のときは前のグループの曲で前回のツアーで育てた曲を歌ってくれたり、新三郷のときはある曲のイントロを歌い始めたと見せかけて、ひたすらヲタクを踊らせる100秒曲3連発を披露してくれたり、立川立飛は始球式でのユニフォーム衣装だったりと、セトリやイベントにまったく工夫がなかったとか、そんなことは一切ない)(入場曲のバリエーションに前回のワンマンライブの梅雨祭で披露されたRAM RIDER Mixが加わったのも嬉しかった)
昔の曲も素敵な曲が多いからこそ、また聞きたいな、なんてことは常に思ってる。
今回のイベントでは歌われなかった比較的新しい曲もある。
それでも、全編撮影可能にしたからこそ「今」を見せることにしたんだなと、わたし自身、割り切った。
何より、わたしにとっては、子どもと一緒に行ける現場があることが嬉しかった。
「またできるように、がんばる」と、そう言ってくれた推しの笑顔が、現場に通うモチベーションのひとつだった。
今回のイベントは、いろんな楽しみ方をした。
子どもと行くときはキッズエリアで。
子どもとペンライトを振りながら一緒に踊ったり、あまりの近さに申し訳なくなりながら少しだけカメラを回したり。
1人で行ったときには、基本カメラは回さずに楽しもう!振りコピ!ダンス!声出していこう!のスタンスで。
でも運良く前の方の整理番号が取れて座席や立ち見の最前に行けたときにはカメラを回してみたりした。
いつからか、特典会はお話を選ぶようになっていった。前は手元に残るチェキがすきだった。
近くで、愛来ちゃんのお顔や表情を見ながら、感想を伝えられる時間が本当に幸せ。ものは残らなくても、過ごしたひとときが残ることの楽しさに気付いたのは、いつからだろう。
写真は次男を連れて出産報告をしに行ったときと、結成日の記念でグループショットだけ。あとは全部お話を選んだ。わたしは、いつも同じような話題しか選べない。それでも感謝と楽しさを直接伝えられる時間は幸せだ。
フリーライブツアーを通して、近くで、ときには少しだけ遠目でみるアメフラちゃんたちは眩しくて。ステージは相変わらず格好良くて、かわいくて。いろんなハプニングも含めて楽しくて。
ステージで虫に襲われる動画がプチバズりしたかと思いきや、じゃんけん勝負でゴディバを買いに行って、それを飲みながら踊るDramaが大バズリしたりとか。
2ヶ月半の全10公演。
その間にも徐々に観客は増えていった。
イベントを通して、はじめましての方の特典だったフリーフォトチケットの配布数は1000枚にまで達していたらしい。
5周年の感謝を伝えるフリーライブツアーだと、メンバーが伝えてくれた。
わたしも、ありがとうの気持ちを伝えることはできただろうか。
* * *
唐突だけど、わたしはK-POPが苦手だった。苦手というより、一種の嫌悪感みたいなものを持っていた。
かの国に対して思うところがあって、人や文化は、政治とはまた違うと思っていても割り切れないようなもやもやを抱えていて。
推しが好きだと伝えてくれるアーティストを、純粋に見ようとも思えないくらいには拗らせていた。
日本のアイドルがすきだ。
ひたむきな歌詞と、きらきらな衣装。
見ているだけで、元気をもらえるようなステージ。
熱苦しいほどの熱量が込められた曲、コール、MIX、掛け声、振りコピ。
そんなアイドルがすきだったから、歌詞よりリズム重視の曲や、露出の多い衣装で歌う、他国のアーティストが苦手だった。音楽番組に出てくるたびに、なんで日本の番組に出てくるんだろう、と思っていた。
そんな苦手な分野に近い音楽を、推してるグループが始めた。
いま思えば、K-POPと一括りにするのではなく、様々な音楽ジャンルに挑戦していることはわかる。
でも、当時のわたしにとっては一緒だった。
正直、MICHIに続いて、BAD GIRLが披露された当時、ああ、もうこの音楽の方向性でいくんだな、わたし、これからのライブを楽しめるだろうかって不安になった。
コロナ禍もあった。声出しができない。コールもできない。ライブで声出しがなかったら、それは現場じゃなくたって、映像や配信でも楽しめるんじゃないの、なんて思ったりもしてた。
音楽が、わたしにとって、馴染みのない方向へ進んでいく。
もう、在宅でゆるっと応援していこうかな、なんてことが頭を過ぎったりもした。
コロナ禍だったし、関東とはいえ上京まで片道1時間半はかかるし、子どものことを考えると、おまいつなんて言えるほどの数の現場に足を運べるわけじゃない。
ワンマンライブは行く。リリースイベントは開催中に1回。フェスはごめんなさい。配信は子どもが寝てたら見る。それが、わたしの応援のスタンスだったから、なおさら。
イベントの配信を、スタッフさんが切らさずにずっと続けてきてくれたからこそ、現場にやっぱり行きたいなあ、というモチベーションが保てていた。
メンバーのことがだいすきだし、やっぱりステージの上に立つみんなに直接会いたいから、自分の行ける範囲でライブに足を運んだ。
これからの曲のことはわからないけれども、今までの曲はすきだし、もしかしたら新しい曲だって、馴染むかもしれない、と。
それがいつからだろう。
英語と日本語の混じった歌詞が心地よくなった。
音楽とリズムと歌詞とパフォーマンスが合わさったときに、言葉で受け取る以上の良さがあることに気づいた。
音に合わせて身体を揺らすこと。
重低音が身体に響いてくること。
ダンスにたくさんの意匠があること。
歌のうまさが、ダンスが、洗練されていったこと。
フリフリとしたかわいいメンバーカラーを纏った衣装にはない、格好良さに気づいたこと。
格好いい衣装を着ていた、のが、着こなしている、に変わっていくさま。
メンバーがだいすきだからステージを見続けてきた。
昔の曲の方がすきだな、なんて思う自分が消えていた。
いつの間にか、自分の音楽のすきが増えていた。
AMEFURASSHIがステージで魅せてくれる楽曲がすきになっていた。一貫性をもって「見せたいものを魅せる」ということを継続する大切さを教えてもらった気がする。だって、常に格好いいを更新してくれるのだ。
AMEFURASSHIの音楽が、とてもすきだ。
これは3年前の自分に言ったらびっくりするんだけど、わたしはいま韓国発祥のアイドルの音楽をたくさん聴いてる。むしろすきだと言える。もやもやはいつの間にか晴れていた。AMEFURASSHIの曲が、推してるグループの曲だから特別にすきなわけではなくなっていた。
プレイリストには、LE SSERAFIMにNewJeans、Kep1erに(G)I-DLEを始めとした、俗に言うヨジャドル第4世代のガールズグループの曲がたくさん入っている。もちろん、BLACKPINKも、今なら格好良くてすきだな、って心から言える。
洋楽も聴くようになった。
変わらず日本のアイドルの曲も聴いている。
TikTokで流行っている音楽も耳にすることが多い。
それでもやっぱり一番聴いてるのはAMEFURASSHIの曲なんだよね。
この5年の中で自分にあった変化の話。
* * *
話を戻して。
わたしがいつも以上に通った、フリーライブツアーのMTA。
そして、さみしさの置き場所にした、ららぽーと豊洲。最終日の最後の挨拶を振り返る。
「みんなもっと上へ行けるよとか、たくさん言ってくださってるんですけど、ほんとにわたしたち前のグループから合わせてずっと10年くらい一緒にやってきて、10年、もっといきたかったっていう悔しい気持ちももっとありますし、もっといけてもよかったんじゃないかって反省も勿論ありますけど、でも10年続けられたおかげでこの景色が見れてるんだなって思うと本当に嬉しいし、続けてよかったな諦めないでよかったなって、すごいみんなのおかげで思います」
市川優月ちゃんから出てきた10年の年月と彼女たちの年齢を思う。平均年齢20歳。人生の半分だ。
「このメンバーからもうずっと変わらず減ることもなく、目標も減ることもなく(中略)同じメンバーでやっていきたいなって思います」
小島はなちゃんから伝わってくるのは、メンバーとスタッフ、ファンに対する愛だった。
「もうみんなに言いふらしたいくらい嬉しいです」
MCで、鈴木萌花ちゃんが噛みしめるように1300人超えの観客に手を振る姿が印象的だった。
「わたしたちはツンツンしてるように見られがちなんですけど、メンバーひとりひとりが皆さんのことを本当に大好きで(中略)想像以上に皆さんのことが大好きなんだよってことは思っておいてください」
愛来ちゃんが語りかける。「想像以上に大好き」勝手に、さみしさを見透かされていた気分になった。ほしい言葉をほしいときにくれる。そんなところがわたしも大好きだ。
今回のフリーライブツアーに参加するたびに「人がすごい」と何回口に出したかわからない。
物販に並ぶ人の列の長さをみて、イベントに集まってきた人をぐるっと見渡してみて、「売れたなー」なんて呟いて、簡単な一言で茶化してきた。
人の多さに泣きそうになる目元の熱さを、うれしさだけだと誤魔化してきたけど、今なら言える。
さみしいって思えるほど
遠くにいってしまうかもしれないなんて思えるほど
そんなグループになりつつあることが、ひたすらにうれしい。
2023年12月22日、金曜日の夜。
5周年記念のワンマンライブがある。
グループとしては、夏ぶりのワンマンライブ。
SOLD OUTの文字がみたい。
フリーライブからワンマンライブ、きっとハードルは高い。
それに年末の金曜日の夜。学生は終業式だし、社会人は職場の繁忙期や、忘年会が控えてるかもしれない。
遠征勢にとっては、クリスマスにかかる週末の都内のホテルは取りづらいだろう。値段も高いし。交通費だって馬鹿にならない。
日程が不利なことは、わかってる。
でも、SOLD OUTの文字がみたい。
もう、余裕があって、ステージが見易いフロアを寂しがる時期は過ぎたのだ。
満員になった身動きの取れない会場で。振りコピするのに気を遣うなあ、なんて心のなかで愚痴る。ペンライトが当たらないように周囲の人に最大限配慮しながら、それでも当たってしまってごめんなさいと伝えるのだ。
人の隙間から見える彼女たちのパフォーマンスを楽しみたい。会場が一体となった熱を感じたい。
いつだってAMEFURASSHIは、ワンマンライブが最高だと、胸を張っていえる。
AMEFURASSHI 5th Anniversary live
「Bad Girls Story」
5周年の感謝を伝えに行こう。受け取ろう。
わたしはこの日のステージの先に、6年目の未来が見えると信じている。
11/26 22:30 追記
SOLD OUT、ほんとうにおめでとう!
記事を投稿した2日後には完売のお知らせ。公式Xの「THANK YOU SOLD OUT」の文字を噛み締めてる。満員のステラボール、楽しみ。
チケットはこちらから。
AMEFURASSHI 5th Anniversary live 「Bad Girls Story」
日時:2023年12月22日(金)open 18:15 / start 19:00
場所:品川ステラボール
一般 1階全自由 ¥7,500(税込・入場時別途ドリンク代・整理番号付き) ※女性エリアあり
U-25 1階全自由 ¥6,500(税込・入場時別途ドリンク代・整理番号付き) ※女性エリアあり
2階着席指定席 ¥7,500(税込・入場時別途ドリンク代) <SOLD OUT>
一般発売
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